先々月に次回にお話しをと書き残した“相手に危害 を加えない失敗であれば見守る、そんなことも試せる 場所と時間を作ってみましょう。”ということと、 “実体験からくる想像力の育ちの大切さ”…このあた りを今月号で考えてみましょう。
子育てで一番難しいのは“待つ”ということではな いでしょうか。今朝は1 歳10 か月の孫を保育園に送 り届けました。(1 年生と年少サンの姉二人がいる女の 子です)幸いにもちょうどなんでも『自分でしたい』 という思いを持ち合わせてきているので、この“待 つ”ということが度々起こります。
出かける時に靴を履く…年少サンのお姉ちゃんはさっさと靴下を取ってきて靴を履いていますが、1 歳児ク ラスのご本人は靴を履くことはわかっていて玄関に座り込み、ああ、靴を口に近づけてニコニコニコニコ… ここでポイント…まずは妥協点…ママも気にしていないので、靴下を履くことはあきらめました。そして なぜか右足は結構自分で履くのです。
…ポイント…右 左逆に…これも、たくさん歩く予定ではないので、今 回は『ま、いいか』で。
そして1 年生のお姉ちゃんの 登場、履かせてくれます。ポイント…ここも姉妹の助け合い、お姉ちゃんにとっても妹の靴のかかとをいれてやるのは結構難しいのでそちらにも加点ということでOK に。
保育園の門から部屋まで自分で自分の荷物を持って いけるようになり、自分で着替えを所定のかごに入れ られるようになりました。ポイント…ここまでくるに は何度の“ま、いいか…”があったことでしょう。 『あ、違ったね』とさり気なく正解のところに入れ なおす等はあっても、『あ、違うでしょ!!もう、い つも間違えるんだから!!』これはなかったです。
こういう失敗は他人を傷つけるたぐいではありませ んから、どんどんしましょう。
“失敗”や“間違い” ではなく“成功への周り道”“成功に向けて必要な経 験”です。きっちり正解のかごにはいれられなかった かもしれませんが、入れようと思ってその荷物を手に したことは大成功ですよね。
これらの成功体験が、次回に向けて、うまくいくに ちがいないとうれしい気持ちにもつながり、さらなる 成長へと導いてくれます。
お水が熱かった、冷たかった、泥団子がふにゃふにゃだった、石のように硬かった、目で見て、触ってみて、匂ってみて、音を聞いて、なめてみて(安全なも ののみ)…その体験は次にするとき、“きっとこうだ だよね”と想像できる力になっていきます。
まだ乳児さんですから、言葉の方がついてこないですが、経験値として次への糧になり、その“想像”が今から未来へ、自分のことからお友達のことへ、日本から世界へとどんどん膨らみ、いろんなことを考えながら、自分 の納得する道を選んで進んでいきましょう。