先月の園だよりに書かせていただいていたことの中から、今月は『小さいときにいっぱいやらかしておきましょう。』『実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。』ということについて考えてみたいと思います。
「それしちゃだめ、これしちゃだめ」となんでもかんでも、先に“大人に強制的に止められるからやらない、あるいは物理的にできない状態”ということだけを積み重ねた場合、なぜダメなのか、どうダメなのかをなかなか自分のものとしての積み上げができません。ただし、危険な行為はともかく力づくでも大声でも何が何でもとめなくてはなりません。そのうえで自分の言語で考えたり、やったらどうなるのかなと想像力を働かして考えたりして、なぜいけないのか、その痛みと社会的なルール、相手の気持ち、そういうことが年齢や経験を重ねるごとにわかっていってほしいものです。言われたからダメ、怒られるからダメだけで過ごすと、自分でストップする力がつきにくく、内容が同じでも場面が少し違うと応用がしにくいということにつながっていきます。もちろんダメなことの中には本当に、やってしまう前に教えないとわからないこともたくさんあります。
そのどこまでが子ども自身にまかせて「あ~あ」と、見ていていいのか、という基準は、人それぞれです。子どもにとっては、同じことをしたのにある時ママは何も言わずに笑っていたのに、今日は頭ごなしに大声で怒鳴ってきた…大人にはそのシチュエーションの違いは分かっても、子どもには不条理でしかない。ある意味、人生ってそんな積み重ねかもしれません。
そこで提案です。何でもかんでも『ダメ、ダメ、ダメ』ではなく、(あ~あ、あれでは失敗するぞ)ということがわかっていても、相手に危害を加えない失敗であれば見守る、そんなことも試せる場所と時間を作ってみましょう。(具体的な参考事例、折を見てまたの機会にお話ししますね。)
自分で考えてやってみたり、やめてみたり、危ないと感じたり、ダメなんだよと思ったりできる環境が必要です。そして失敗だった時に、問い詰めたり叱ったりするのではなく、失敗して悲しかった気持ちを共感し、また、成功したときには当たり前として終わるのではなく、その大発見やうれしい気持ちを一緒に喜びましょう。『実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。』ということについては来月、お伝えします。