先月の園だよりでは『これから小学生、中学生、高校生、大人へとなっていくとき、今もっている主体的に動ける力を持ち続けて、それに思いやりやルール、計画性、周りへの影響などを鑑みながら納得して自分の人生を選んで歩み続けてほしいなと思いました。』と結びました。
真面目に言われたことをコツコツとしておけば定年まで終身雇用で豊かな人生が送れるという時代はもうひと昔前の話で、IT化、働き方改革、いろいろと変化する世の中で、今ある仕事の半分以上は今ない仕事にかわっているかもと言われてもう数年が立ちます。今、必要な人材は“自分で考えられる人”。
でもそれは自分にとっていいように、自分の周りにとっていいようにだけではダメで、見方をいろいろ変えてみてベストではなくてもベターなことを見つけ出していく力ということになります。そのためには保育でもよく使われる“生きていく力”の中で、“想像力”が大切になると私は思っています。
『なんでこうなるんやろ』『こうしたらどうなるんやろ』物理的な動きから気持ちまでいろんなことを鑑みて決めていける力です。そのために乳幼児期にしておかなければならない大切なことがあります。
それは、大きく言えば主体的に遊ぶこと。これを使ってこのように遊びなさいではなく、自らいつ何時でも遊べる力を発揮することだと思います。遊びの心は生れた時からみんなもっています。時として大人に『なにやってんの!』と叱られることも多々あります。だって、発達から考えても他者のことを思う前にまずは己を知るところからです。思いやれなくてとんでもないことしでかしてしまいます。でも小さいときにいっぱいやらかしておきましょう。
このざりがにサン、立派なはさみもってって強そうで、かっこいいよと思ったらさっそくざりがにサンになってみます。ざりがにサンの生活をまねてリズム表現してみます。そんなところからも優しい力、他人を想う力、たくましい力…いろいろなちからがはぐくまれ、そこに集団生活で育つ力もたくさんあります。実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。